2020.02.10

働くひとを惑わす言葉。

 

キャリアプラン。
効率。
好きを仕事にする。
夢を叶える。

 

これは若者を不幸にしていると思う。

 

 

キャリアプランにロールモデル。
はたまたワークライフバランス。

 

全く持って夢がない。。。

 

 

スタジオジブリのアニメーションで「耳をすませば」と「魔女の宅急便」という作品があります。

 

少女が小説家を夢見て邁進するのが「耳をすませば」。
少女が一生懸命に日々格闘し、気が付けば世界が広がるのが「魔女の宅急便」。

 

以前は、目標を持ち夢に向かって日々努力することが人生の醍醐味と考えられていたけれど今は、日々ひとつひとつ目の前にある坂を登り、気づけば高い山の頂上に立つ。

きっと最適解は人それぞれであって、どちらが良いかは分からないけれど
夢を叶えるという衝動は今やもう時代錯誤なのかもしれないと感じます。

 

 

 

昨年の12月に続いて、工業高校への課外授業を行いました。

 

実習教室には木造小屋組の架構や模型、揃った差し金がフォトジェニックです。

 

 

私の講義。
建築(意匠設計)とは何か。

 

 

「モノを人間的にする」
建築の目的は物質の世界を人間の生活と調和させることである。
建築を人間的にするということは、より良い建築を意味し、そして単なる技術的なものより、はるかに大きな機能主義を意味する。
アルヴァル・アールト

 

 

「空間・時間・建築」
建築は、あらゆる種類の外的諸条件によって生み出されているかもしれないが
ひとたび出現してしまうと、それ自身の性質や継続する生命を持った一個の有機体を構成するのである
ジークフリート・ギーディオン

 

 

これをどう読み解くのか。

建築は作品ではなく、社会的容器「内は自分のもの、外は皆のもの」である。

建築デザインすることは単に意匠上行為でなく、人々にとってよりホスピタリティーある人間的なモノに昇華させる社会的行為である。

 

 

と、少し難しいかなと思いながら説明すれば、メモを取る生徒がいて感激でもあり、ともすれば何のレスポンスもなく「将来の夢は公務員です。だって定時で帰れますから」という生徒もいる。

 

 

 

一息ついたその瞬間に取られた写真もあり。

 

 

「建築士という資格」を知っている人と問えば、18人中4人しか手を上げない建築コースの工業高校。

 

 

 

学生アパートと言えばワンルーム(約25㎡)であった単位も
今やロフトを含めて約13㎡の時代だという新聞記事。

持ち物を極力減らす流行の生き方「ミニマリスト」に通じる若者があり

豊かさは時代の変遷とともに不透明さを増す。

 

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